感謝の気持ちを伝えたい。

Dad,I'm thanks to you.


 ずいっとエグゼクターはそれを突き出した。
「……何だ?」
 突き出されたゼブロスは当然の質問をした。
 それはティッシュの箱ぐらいの大きさの綺麗に包装された箱だった。
「今日……父の日、だから……」
「私に、か?」
 こくん、と無表情のままでエグゼクターは頷いた。
「………」
 ゼブロスもまた、無表情のままでそれを受け取った。


「……ほほえましいな」
 そんな二人の様子を眺めていた紫苑は誰にともなく呟いた。
「そうですね」
 紫苑の呟きに無が頷いた。
「……お前、来ていたのか?」
「ええ」
 少し驚いた様子の紫苑に無は微笑んだ。
 朝からアカネやリュウが出入りしていて、エグゼクターが来ていたが、無まで来ているとは思わなかったのだ。
「まあ、中身は微笑ましくないんですけどね」
「そうなのか?」
「一級品の砥石、らしいです」
「……砥石か」
 探すのにつき合わされたんですよ、と無は苦笑した。
「――ああ、そうそう」
 無は持っていた風呂敷包みを持ち上げて見せた。
「いいお茶とお茶菓子を持ってきたんです。一緒に飲みませんか?」
「………」
 一瞬ぽかんとして、
「……ああ、そうだな」
 ふっ、と優しく紫苑は笑った。



☆あとがき☆
 父の日小説です。父の日っていつですか。
 イメージでは漫画だったのでこんなに短いのです。
 父の日、と言う事でむぃむぃがアイにお礼を言うのも考えたんですが、
 お父さんと言えばしーちゃんにゼブゼブだろうと、こういう感じになりました。
 この人たちは中々素直にいえない人たちなのでこんな感じでどうかなぁ、と。
 でもね。ぶっちゃけしーちゃんキャラつかめなかった!(ぁぁぁ)
 まあいつもの台詞ではありますが、楽しんでいただけたら幸いです。
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